コラム
Column
お彼岸とは?過ごし方や期間、お布施の相場などよくある疑問も解説
春と秋に訪れる「お彼岸」。
ご先祖様を供養する大切な行事の一つですが「お彼岸とはなんなのか?」「どのように過ごせば良いのか?」などの疑問を持つ方も、多いのではないでしょうか。
今回は、より深くこの行事を理解するため、意外と知らないお彼岸の基本などについて解説します。
お彼岸とは?
お彼岸とは、日常的にあまりできないお墓参りやお供えを通してご先祖様を供養する期間のことです。
3月の春彼岸と9月の秋彼岸と年に2回あり、この時期にはあの世(彼岸:ひがん)とこの世(此岸:しがん)がもっとも近づくとされています。
よく疑問としてあげられる、お盆との違いについては後ほど解説しますね。
【お彼岸の期間】
3月、または9月の何日をお彼岸と言うのかは、毎年異なります。
基本的に、春彼岸は「春分の日」、秋彼岸は「秋分の日」を中心とした前後3日間(合計7日間)がお彼岸の期間として設定されますが、その具体的な日数は固定されているわけではありません。
お彼岸の期間は、太陽の動きに合わせて定められます。
そのため、日数に少しズレが生じてしまうわけです。
その年のお彼岸シーズンは、前年の2月1日に政府から発表があります。
例えば、2026年のお彼岸が何日から始まるのか知りたい場合は、2025年の2月1日以降に確認が可能です。
〈春分と秋分について〉
春分の日と秋分の日は、太陽が真西に沈むことで昼と夜の時間がほとんど同じになります。
あの世を示す「彼岸(ひがん)」は西の彼方にある極楽浄土と言われており、この春分の日と秋分の日が特にあの世とこの世との距離が縮まるとされてきました。
そのため、春分の日と秋分の日を中心にお彼岸の期間が設定されているのです。
こうした考えは日本独自のもの。
昔からご先祖様への尊敬の念が強かった日本人は、古来よりお彼岸などご先祖様や故人が関係した行事や風習を大切にしてきたのです。
〈2024年と2025年のお彼岸の期間〉
春彼岸 | 秋彼岸 | |
2024年 | 3月17日〜23日(春分の日が20日) | 9月19日〜25日(秋分の日が22日) |
2025年 | 3月17日〜23日(春分の日が20日) | 9月20日〜26日(秋分の日が23日) |
【お彼岸にすること】
お彼岸ではお墓参りや仏壇の掃除、お供えなどを行うのが通例です。
墓石の掃除や、お墓周りの整備など、普段あまりできないことをすると、なお良いですね。
自宅に仏壇がある場合は、日常的な手入れをしない細かい箇所まで入念に掃除をして、感謝の思いを伝えましょう。
お墓参りに行った場合、掃除などが終わったあとは、お供え物や線香を手向けてお墓に眠る方へ挨拶します。
日頃悩んでいることやがんばっていること、近況などをお伝えすることも良いですね。
挨拶が終わったらお供え物を下げ、線香やろうそくの火、ゴミなどが残っていないか確認してから帰るようにしましょう。
お彼岸とお盆の違い
お彼岸とお盆は「ご先祖様と過ごし、感謝の気持ちを伝える期間」という点では共通していますが、はっきりとした違いがあります。
まずは季節。
お盆は夏場の行事ですが、お彼岸は春と秋の行事になります。
また、お盆は帰ってくるご先祖様の霊を迎え入れるものですが、お彼岸はこちらからご先祖様の近くに行ってお招きするもの。
お盆の方は「ご先祖様の里帰り」という意味合いが強いと言えるでしょう。
例えば、きゅうりやなすを用いた精霊馬の存在や、提灯と同じくご先祖様をお迎えする際の灯りの役割を持つほおずきなど、お盆ならではの光景からこうした意味合いの違いがはっきりうかがえるのが、おもしろいですね。
初めてのお彼岸(初彼岸)とは
故人が亡くなってから49日以降に初めて迎えるお彼岸のことを「初彼岸」と呼びます。
ちなみに、お盆の場合は「新盆」「初盆」です。
初彼岸だからといって、何か特別なことをしなければいけないことはありません。
通常のお彼岸と同様に故人を偲び、お墓参りに行ったり、仏壇にお供えをしたりして過ごしましょう。
よくあるお彼岸の疑問
お彼岸に関する疑問は、多くの方が抱くものです。
ここでは、お彼岸についてよくある疑問にお答えします。
【お彼岸にしてはいけないことは?】
お彼岸といっても、日常と大きな変わりはありません。
喪中や忌中のようにレジャーや旅行などを避けた方がいい、といったこともありません。
ただ、お彼岸の時期はご先祖様や故人を大切にする時期であるため、結婚式や入籍などのお祝い事は避けた方が良いかもしれません。
【お彼岸のお供え物の定番、ぼたもちとおはぎの違い】
お彼岸のお供え物として定番の「ぼたもち」と「おはぎ」ですが、実はこれらに大きな違いはありません。そのときの季節によって、言い換えている場合がほとんどなのです。
ぼたもちは春に咲く「ぼたん」を由来としているため、春彼岸の時期に。
おはぎは秋に咲く「萩」を由来としているため、秋彼岸の時期にそう呼ばれます。
ただ、最近でこそ同じ作り方のものが多く、前述の通り季節での呼び方以外に違いはありませんが、昔はそれぞれあんこの種類や形が異なったのだそう。
ぼたもちはぼたんを模した丸い形でこしあんが使われ、おはぎは俵形でつぶあんが使われていました。
【お彼岸のお供え物のお返しはどうすればいいの?】
お彼岸のときにいただいたお供え物のお返しは、基本的には不要です。
地域や人によっては、お供え物のお礼としてお返しをする場合もあるため、それとなく周囲に聞いてみるのもいいかもしれません。
もしお返しをする場合、いただいたお供え物の3分の1から半分程度の金額が相場とされています。
あまりに高価なものをお返しすると、相手に気をつかわせてしまうため、避けた方が良いでしょう。
忙しい毎日だからこそ、故人を思うひとときを
多忙な日々で、ご先祖様や故人を思い返す時間は意識していないと取れないものだと思います。
お彼岸の期間中は忙しい日々から少し足を止めて、ご先祖様や故人を思う時間を大切にしてみてはいかがでしょうか。
例えば、故人が好きだった味のお菓子をお供えしたり、家族みんなで食べたりすることで、より一層故人を偲ぶことができるかもしれません。
お菓子の香梅ではお彼岸のシーズン限定で「お彼岸おはぎ」を販売しています。
小ぶりなサイズで食べやすく、幅広い年代の方にご好評いただいています。
今年のお彼岸は故人への感謝の気持ちを込めて、お菓子の香梅で販売している「お彼岸おはぎ」をお供えしてみてはいかがでしょうか。
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