2024.09.13

お彼岸にお供えする食べ物は何が適切?なぜおはぎとぼたもちが定番なのかも解説


春と秋、年に2回あるお彼岸の季節。

この時期はご先祖様や故人を偲び、感謝を伝える時期です。

普段忙しくて意識することができていなかったり、お墓参りに行けていなかったりしても、この時期はお墓や仏壇へ手を合わせるだけでもしたいですね。

仏壇に何をお供えしようか、迷う方もいるかもしれませんね。

今回は、お彼岸にお供えする食べ物について、特に定番のおはぎとぼたもちに焦点を当てて解説します。

そもそもお彼岸とは?

仏壇

お彼岸とは、日常的にあまりできないお墓参りやお供えを通してご先祖様を供養する期間のことです。

3月の春彼岸と9月の秋彼岸との年に2回あり、この時期にはあの世(彼岸:ひがん)とこの世(此岸:しがん)がもっとも近づくとされています。

ご先祖様や故人の供養は、感謝の気持ちや敬いの気持ちを送ることです。

こうした気持ちを表す行動としてお墓参りやお墓掃除、仏壇に手を合わせることやお供えなどがあります。

寺院によっては「彼岸会(ひがんえ)」と呼ばれる法要を行うこともあります。

繰り返しになりますが、大切なことはご先祖様や故人へ感謝の気持ちを送ること。

それを忘れないように、お彼岸の期間を過ごしましょう。

【お彼岸の時期は決まってる?】

3月の春分の日と、9月の秋分の日それぞれを中心とした前後3日間(合計7日間)がお彼岸の時期と定められます。

春分の日と秋分の日は毎年変化するので、何月何日からと覚えるのではなく「春分の日(または秋分の日)を中心とした前後3日間」と覚えておきましょう。

関連記事:お彼岸とは?過ごし方や期間、お布施の相場などよくある疑問も解説

お彼岸にお供えする定番の食べ物、おはぎとぼたもち

お彼岸おはぎ

お彼岸の定番的なお供え物と言えば「おはぎ」と「ぼたもち」です。

それぞれ春に咲く「ぼたん」と秋に咲く「萩」から名前を取っており、昔はおはぎは春のお彼岸に、ぼたもちは秋のお彼岸にお供えするものでした

あんこの種類や形も、それぞれで異なりました。

一般的に、おはぎとぼたもちへの認識はさまざまで、名前の発祥も諸説あるようです。

しかし、最近ではおはぎとぼたもちに名前以外の大きな違いはなく、おはぎまたはぼたもちに名称を統一して販売していたり、季節に関係なくどちらかがお供えされていたりする印象です。

【おはぎとぼたもちの違い】

おはぎとぼたもちの違いについての図解

前述の通り、おはぎとぼたもちに大きな違いはありません。

しかしこれは最近の話であり、昔は使用したあんこや形が違ったのです。

おはぎは、つぶあんを使用することが多く、俵のような形。

一方、ぼたもちは主にこしあんが使用され、ぼたんを模した丸い形をしていました。

あんこの原料である小豆が品種改良される前は、秋に収穫されたものが越冬した際に乾燥し、皮が固くなっていたそうです。

そのため、春のお彼岸にはこし餡が使用されていました。

おはぎやぼたもち以外に適したお供え物

お彼岸の定番的なお供え物はおはぎやぼたもちですが、花や他の食べものをお供えしても問題ありません。

ここではおはぎやぼたもち以外にお供え物として適した食べものを紹介します。

【お彼岸団子】

団子

お彼岸団子は、地域によってはメジャーなお供え物の1つ。

白く丸い形をしたシンプルな団子で、地域によって積み方に違いが見られるのが特徴です。

団子を積み重ねる数に決まりがあるわけではありませんが、6個お供えすることが一般的なようです。

お彼岸の初日(彼岸入り)に供える団子は「入り団子」、最終日(彼岸明け)に供える団子は「明け団子」と呼び分けることがあります。

【菓子折り】

菓子折り

保存が効いて、かつ小分けしやすいものであれば、お彼岸のお供え物として菓子折りもおすすめです。

お供え物のイメージとして水ようかんやせんべいなど和菓子のイメージが強いですが、最近ではクッキーなどの洋菓子も人気があります。

菓子折りを選ぶ際には、かならず消費期限や賞味期限を確認して日持ちするものを選ぶようにしましょう。

また、価格にも注意が必要です。

高価な菓子折りであれば良いわけではありません。

渡す相手に気をつかわせてしまうかもしれないので、相場である3,000〜5,000円のものを選ぶようにしましょう

関連記事:仏壇にお供えするお菓子のマナーとは?水引・掛け紙の選び方、費用相場について解説

【果物】

果物

果物は日保ちするものが多く、常温での保存も可能なためおすすめです。

りんご、オレンジ、バナナ、ぶどうが一般的ですが、桃や夏みかん、柿など季節を感じさせる果物も良いですね。

どんな果物を選んでも良いですが、強いて言うならば、香りの強い南国系のフルーツは避けた方が良いかもしれません

果物に限った話ではなく、お供え物として香りの強いものはおすすめできません。

【故人が好きだったもの】

ご先祖様や故人が好きだった食べものをお供えするのもおすすめです。

お供え物は、本来ご先祖様や故人に感謝の気持ちを伝えて喜んでもらうために贈るもの。

無理のない範囲で、生前好んで食べていたものを準備すると良いでしょう。

お彼岸に避けた方が良い食べ物

精進料理

お彼岸に食べてはいけないものは、肉や魚など殺生が関係するもの、あとは「五辛」と呼ばれる野菜(にら、にんにく、らっきょう、あぶらな、ネギなど)です。

仏教では殺生=最大の罪とされているため、できるだけ関連する食べ物は避けた方が良いと言われています。

また、仏教では辛味のあるものや、香りの強い食べものも避けられます。

唐辛子などの香辛料やにんにくなど香りの強いものは、お彼岸での食事では避ける方が良いかもしれませんね。

これらを踏まえ、お彼岸の時期におすすめな食べ物は精進料理です。

精進料理は豆腐や野菜がメインで作られており、肉や魚を用いないため、お彼岸の時期や弔事の際に食べる機会が多いのです。

お彼岸におはぎやぼたもちを食べる理由

おはぎ

お彼岸に食べてはいけないものの多くは、宗教上の理由でNGとされています。

では、逆にお彼岸の定番とされているおはぎやぼたもち。

これらはなぜお彼岸の時期に食べるのでしょうか。

ここでは、お彼岸におはぎやぼたもちを食べる3つの理由について解説します。

【邪気を払うため】

1つ目の理由は、家族の邪気を払うためと言われています。

赤色や朱色は太陽や炎を連想させるため、昔の人はそれに伴ってさまざまな意味付けをして使用していました。

中でも赤色は魔除けの効果が高く「邪気を払う」と言われており、赤い色をしている小豆も同様に邪気を払う食材だとされたのです

【五穀豊穣を祈願するため】

2つ目の理由は、農作物が今後も豊作であることを願うためと言われています。

もっと言えば、春の季節は豊作への祈願、秋は収穫への感謝とされていたのだそう。

もともと、五穀豊穣を祈るためのお供え物として、米はよく使用されてきました。

もち米も当然それに含まれているため「農作物が豊かに実り、収穫できるように」と思いを込めてお供えされたわけです。

【貴重な食材だったため】

3つ目の理由は、昔は砂糖などが貴重な食材であったためと言われています。

この貴重な食材を使用することで、ご先祖様への敬意や感謝の気持ちを表しました

忙しい毎日にも、おいしいお菓子で心にゆとりを

おはぎやぼたもちは、昔からご先祖様への感謝の気持ちを表すためにお供えされてきました。

それだけでなく、口に広がるあんこの優しい甘みは心が安らぎ、故人を偲ぶ温かい気持ちにさせてくれます。

忙しい毎日を過ごしていても、お彼岸の時期は少し立ち止まって、ご先祖様や故人に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

お菓子の香梅ではお彼岸のシーズン限定で「お彼岸おはぎ」を販売しています。

小ぶりなサイズで食べやすく、幅広い年代の方にご好評いただいています。

今年のお彼岸は故人への感謝の気持ちを込めて、お菓子の香梅で販売している「お彼岸おはぎ」をお供えしてみてはいかがでしょうか。

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