コラム
Column
TKU親子職場体験&見学ツアー ~後編~
前編に引き続き、TKU親子職場体験&見学ツアーでの様子をご紹介します。
誉の陣太鼓ができるまでを見学して、クイズに答えたりと、少しずつ緊張がほぐれてきた参加者の皆さん。
続いて武者がえしの製造ライン見学に向かいます。
武者がえしの製造ライン見学は甘い香りに包まれて
2階の陣太鼓エリアからエレベーターに乗り、3階へ。
エレベーターに乗った時点で、参加者の皆さんが「いい香り!」と笑顔になりました。
扉が開くと、目の前に「武者がえし」の名前が大きく目に入ります。
パイの焼ける芳醇な香りに包まれた、武者がえしエリアに到着です。
武者がえしエリアでは、椅子に座って説明を聞いていきます。少し前のめり気味のお子さんたちの姿が印象的ですね。
武者がえしのこだわり「皮剥ぎ小豆餡」
武者かえしはバターをたっぷり練り込んだパイ生地で餡を包んだ、和洋折衷の半生菓子です。
使用している餡は北海道産の「小豆」から作った「皮剥ぎ小豆餡」で、前回ご紹介した陣太鼓の餡とは使う小豆や製法もまったく異なります。
「皮剥ぎ小豆餡」はその名の通り、皮を剥いだ小豆を炊いて作ります。皮を剥ぐひと手間を加えることで、より舌触りの滑らかな美しい薄紫色の餡に仕上がります。
写真で工場長の山川さんが手に持っているのは、通常の武者がえし用の小豆と、季節限定の絹しろで使用する「手ぼう豆」です。
手ぼう豆から作られた白餡の絹しろは、お菓子の香梅の各店舗と公式オンラインショップで販売されています。
職人がつくる武者がえしの生地
こだわりの皮剥ぎ餡を包むパイ生地も阿蘇西原工場で作っています。
工場長の山川さんが見せてくれた青い袋の中に入っているのが実際の生地です。この一袋で武者がえし300個分にもなります。
生地を持ったお子さんたちは「重い……」と、ずっしりとした重量を感じていました。
バターが溶けないように14〜15度の室温に保たれた製造ラインでは、武者がえし専用の機械で生地を伸ばしていました。するすると均等に伸ばされていく生地が、ひらひらと折り重なっていきます。
均等に伸ばすには機械を使用しますが、職人の手で必ず確認が必要です。
餡をパイ生地で包み、少し平たくして焼くと、武者がえしの完成です。
焼く時間は固定していますが、温度はその日の温度と湿度などで調整し、焼き上げる間は一定の温度ではありません。
焼く時間の長さと時間や温度へのこだわりを聞いて、「へぇー!」と驚きの声が上がっていました。
焼き上がった武者がえしは、冷ましてからフィルムで包装されます。
きれいに並んだ様子は圧巻です。
武者がえしがどのように作られていくかの工程です。生地と餡から始まり、見慣れた武者がえしになるまでこんなに工程があるんですね。
実は、武者がえしのパッケージが変わったことをご存知でしょうか?
以前の角折包装からピロー包装に変わったことで、おいしさをより長持ちさせることができるようになりました!
待ちに待った武者がえしの試食タイム
武者がえしができるまでの説明をすべて聞いてから、お楽しみの試食タイム。
つくりたての武者がえしが運ばれて、親御さんもお子さんも笑顔になる瞬間です。
お家で召し上がっていただくときは、トースターなどで少し焼くのがおすすめです。
確かにおいしそう、と親御さんたちが楽しそうにお話しされていたのが印象的でした。
和菓子づくり体験
最後に和菓子づくり体験を行いました。
机の上に置かれた道具と材料をどのように使うのか、親子で会話がはずんでいる様子。
まずは和菓子について知ってもらうため、職人によるデモンストレーションを行い、そのあとで皆さんに上生菓子を作ってもらいます。
鮮やかな花が咲く和菓子の世界
和菓子づくり体験の前に、実際に和菓子がどのように作られていくかを、全国でも珍しい和菓子一級技能士・洋菓子一級技能士の両資格を持つ製造部 研究室 室長の恒松義浩さんが実演してくれました。
何ができるか何もわからないまま、手元に視線が集中します。
餡を練り、ハサミや三角棒で少しずつ形が作られていくと、美しい生花のような作品が完成! 和菓子と洋菓子のコラボレーションが美しい作品となりました。
一つひとつの花が作られていくたびに、「すごい」「きれい」と感嘆の声が聞こえてきました。
職人がつくる肥後六花の上生菓子はお菓子の香梅の店舗で販売されています。ぜひ店舗で実物を見てみてください。
和菓子づくりに挑戦!
ついに待ちに待った和菓子づくりに挑戦、今回作るのは「上生菓子」です。
ツアー開始時のインタビューで、今日一番の楽しみとして数多く名前があがっていたのがこの和菓子づくりでした。
職人の手業を見て、いったいどんな和菓子を作るのだろうかと、楽しみな気持ちとは裏腹に緊張な面持ちで待つ参加者の皆さん。そして皆さんの前に映し出されたのは……。
かわいい「ねこ」と色鮮やかな「花火」!
「かわいい」「きれい」「上手に作れるかな」と、セミナールームが盛り上がりました。
職人さんが実演しながら見せてくれた作り方を、まねしていきます。
手に餡がついてベタベタボロボロになってしまうので、こまめに濡れた布巾で手を湿らせるのが大事なコツです。
こねたり包んだり、わからないところは職人さんに教えてもらったり。
集中しながらも、楽しそうに、そしてきれいでかわいい上生菓子ができていきます。
完成です!
途中、余った餡をぱくりと食べたお母さんは「おいしい! 初めて食べたけれど、滑らかで甘すぎなくて、上生菓子がこんなにおいしい物だとは思っていませんでした」と、顔を綻ばせていました。
和菓子の中でも上生菓子に馴染みのない方、ぜひこの機会にいかがでしょうか。
最後に
長いようで短かったTKU親子職場体験&見学ツアーが終わり、参加者の皆さんが帰られる頃には氷柱が溶けて陣太鼓が出始めていました。
ツアーの様子はいかがでしたか?
この記事をきっかけに、お菓子について興味を持っていただけたらとても嬉しいです。
そして、ツアーに参加された皆さんにとって、夏の楽しい思い出になっていれば幸いです。