2025.03.28

自宅で簡単に抹茶を楽しむ方法や抹茶の基本的な点て方を紹介


抹茶と聞くと、茶道の作法が必要だったり、たくさんの道具をそろえたりと、気軽に楽しめそうにないイメージを持つ方もいるかもしれません。

ですが、実は自宅でも手軽に楽しむことができるのをご存じでしょうか?
あまりかしこまらず、自分なりに抹茶を楽しんでみましょう!

今回は抹茶の基本的な点て方から、自宅で気軽に楽しむための方法まで、初心者の方でも実践しやすいポイントをご紹介します。

日常のワンシーンに、抹茶を取り入れてみてはいかがでしょうか?

抹茶とは?普通のお茶(緑茶)との違いについて

抹茶や茶葉、茶筅などが並んだ画像

抹茶は緑茶(緑茶は不発酵茶の総称)の一種ですが、栽培方法や製造工程が大きく異なります。

  • 抹茶:茶葉を摘む前に日光を遮って育てた茶葉を蒸し、乾燥させた「碾茶(てんちゃ)」を石臼で細かく挽いた粉末状のお茶。茶葉そのものを摂取するため、栄養価が高い
  • 緑茶:日光を十分に浴びせて育てた茶葉を蒸し、揉みながら乾燥させたもの。お湯で抽出するため、抹茶とは異なり茶葉そのものは飲まない

抹茶はほかの緑茶と比べ、独特の濃厚な風味と苦みが特徴です。

そのため、特に甘みのある和菓子と組み合わせることで、より深い味わいを楽しむことができます

また、抹茶と緑茶には味わいの違いだけでなく、含まれるカテキンの量や色味などにも差異があります。

こうした抹茶と緑茶の詳細については、下記の関連記事をご覧ください。

関連記事:緑茶と抹茶、何が違う?スイーツに緑茶ではなく抹茶が使われる理由も解説

抹茶の基本的な点て方と使用する道具について

抹茶を点てる際に使用するさまざまな道具。茶漉しや茶杓など

抹茶は、お湯に溶かすだけでも気軽に自宅で楽しむことができます。

ただ、道具を揃えることでより本格的な抹茶を堪能できるため、興味がある方はぜひチャレンジされてみてください!

抹茶を点てる際に必要な道具は、下記のとおりです。

  • 茶碗:抹茶を点てるための器。深さがあり、泡立てやすいものが適する
  • 茶杓(ちゃしゃく):抹茶をすくうための細長い竹製の匙。1杯山盛りでおよそ1g
    軽量スプーンでも代用可能
  • 茶筅(ちゃせん):抹茶を泡立てるための道具。細かく割られた竹製の穂先が特徴
  • 茶漉し:抹茶のダマを取り除き、滑らかに仕上げるために使用

ほかにも、湯冷まし茶碗などを用意しておくと、より手間をかけた本格抹茶を自宅でも楽しめるでしょう。

道具がなくても十分楽しめるため、徐々に増やしても良いと思います。

では、抹茶の作り方をみていきましょう。

①抹茶を茶漉しなどでふるう(省略可)

茶漉しを使って抹茶をふるっているところ

茶漉しを準備している場合、最初に抹茶をふるうことで「だま」になりにくく、点てやすくなります

もし茶漉しなどがない場合は、別の工程で水を少量混ぜ、抹茶を練り合わせることで、だまができにくくなります

②茶碗と茶筅を温める

茶筅や柄杓の写真

茶碗へ茶筅を入れ、お湯をそそぎ2つとも温めておきましょう。

茶碗が冷たいと抹茶の風味に影響が出ますし、茶筅は少し温めた方がしなりやすく、欠けにくくなります。

③茶碗のお湯を捨て、抹茶を入れる

茶杓1杯分の抹茶を、茶碗に入れているところ

茶碗が十分に温まったら、お湯を捨てて抹茶を入れます。

1人分(一服分)で必要な抹茶はおよそ2g。
茶杓およそ2杯分を入れましょう。

計量スプーンで測る場合は「すりきり」で考えますが、茶杓の場合はすりきりなどは考えなくても大丈夫。

茶杓でパッと抹茶をすくい、そのまま茶碗へ入れます。

茶杓に山盛りになった状態でおよそ1gなため、そのまま茶碗へ入れてしまいましょう

この際、抹茶のかたまりが気になる場合は、ほんの少しだけ水を足し、茶筅を使って練り合わせることで、きれいに抹茶を点てることができます

慣れてきたら、抹茶の量を調節して自分好みの味にするのも楽しみ方の一つです。

④茶碗にお湯を注ぐ

茶碗へお湯を注いでいるところ

いよいよ茶碗にお湯を注いでいきます。

お湯の量はだいたい70~80cc。

点てる際の温度は70〜80℃で、飲む際は60~70℃程度の温度がおいしい抹茶を飲むのに最適な温度とされています。

抹茶はお湯の温度によって風味が変化します。

沸騰したてのお湯だと、抹茶の渋みや苦みが強く出てしまい、逆に温度が低すぎると香りや泡立ちが不十分なものに

お湯を沸かしたあと、しばらく冷ます必要があるので早い段階でお湯の準備をしておくと良いでしょう。

事前に温めておいた茶碗も冷めることなく、スムーズに作業できます。

⑤抹茶を点てる-前半

抹茶を点てる様子を、真上から撮影したもの。抹茶は淡い緑色をしている

抹茶と言えば、やはり茶筅を用いて泡立てる工程が印象深いのではないでしょうか。

お湯を注いだらさっそく抹茶を点てていきます。
初めはゆっくりと、茶碗の底に溜まった抹茶を広げるように混ぜましょう

次に茶筅を底から少し上げ、茶碗の奥側と手前側を行き来するように振ります。

同じ場所に留まらないよう、左右にも少しだけ移動するようにしましょう。

この際、お湯が茶碗の中で回らないよう、手首を使って茶筅を前後に振ることがポイントです。

⑥抹茶を点てる-後半〜完成

泡立ち始めた抹茶。細かい泡が表面に浮いている

泡立ったら茶筅をさらに上げ、表面に持っていきます。

茶筅の先で表面をなでるようにゆっくり振り、泡を細かくしていきましょう

泡が細かくなったら、中央に泡が盛り上がるように、静かに茶筅を上げて完成です。

茶筅がない場合は◯◯でも代用可能

ミルクフォーマーと湯呑みを両手に持っている

茶筅がなくても、泡立てられた抹茶を楽しむことは可能です。

シェイカーやタンブラーで振るのも良いですし、ミルクフォーマーや泡立て器でも代用が可能です。

自宅で抹茶を気軽に楽しむ方法

自分1人で楽しむのであれば、作法や難しいことは特に気にせず、自由に試してみましょう。

茶道で用いられるような道具がなくても、簡単に自宅で抹茶を味わうことは可能です!

ぜひ、今回紹介する方法を参考にご自宅で抹茶を楽しんでください。

家にあるもので抹茶を点てる

抹茶と聞いて思い浮かべるのは茶筅や茶碗などの道具ですが、なくても抹茶を点てることは可能です。

泡立てることができれば良いので、シェイカーやタンブラー、ミルクフォーマーや泡立て器を使うと良いでしょう。

ペットボトル、フォークなどでも代用が可能です。

混ぜる際は深めの容器に入れるようにしましょう。
浅いものを使用すると混ぜる際にこぼれ、お掃除の手間が増えてしまう恐れがあります。

牛乳と混ぜて楽しむ

抹茶は苦みや渋みが強く、それをまろやかにするために点てる工程を挟むのですが、牛乳と混ぜることでその必要もなくなります

牛乳以外にも、豆乳やオーツミルクなどお好きなものでアレンジが可能です。

牛乳と混ぜる際は、抹茶がだまにならないよう事前に茶漉しなどでふるっておき、茶漉しがない場合は、牛乳を加える前に良く混ぜておきましょう

抹茶粉末だけでは甘さがあまり感じられないため、砂糖やはちみつを追加してください。

抹茶と砂糖などは、牛乳と混ぜる前にほんの少しのお湯と練り合わせておくことがポイント。

スプーンやヘラなどを使って練り合わせることで、だまもできにくくなります。

スイーツ作りに活用する

薄い緑色の抹茶クッキー。ホワイトチョコ入り

抹茶の味わいを楽しみたい場合、飲み物ではなくお菓子作りで使用するのも一つの手です。

料理で用いる場合、飲用ではなく食品加工用の抹茶を使用する場合があります。

粉そのものの色が薄かったり、香りが弱かったりする食品加工用の抹茶ですが、苦みが強く、抹茶風味を強く感じるスイーツ作りには最適です。

もちろん、飲用の抹茶を使用することもできます。

お茶請けとしての和菓子の役割とは?

花を模った和菓子と抹茶

お茶請けとして添えられる食べ物として、和菓子を連想する人は少なくないでしょう。

茶道においてもお茶請けは欠かせないものとされており、お茶の味を引き立てる大切な役割を持っています。

和菓子に使用される砂糖やあんこの甘さが、抹茶の渋みや苦みを和らげ、甘みのバランスをとっているのです。

ただ、お茶請けとして提供される和菓子の役割は、それだけではありません。

抹茶には多くのカテキンやカフェインが含まれますが、空腹時においてこれらの成分は少し刺激が強いもの。

抹茶をいただく前にお茶請けを食すことで、胃の負担を和らげる実用的な効果があるのです。

ちなみに、お茶請けの「請け」は「支える」という意味も含まれます。

そこから意味が転じて、お茶を引き立てる役割として「お茶請け」と呼ばれるようになったのだとか。

和菓子以外のお茶請け

お茶請け=和菓子というわけではありません。

最近では洋菓子を用いることもありますし、お茶の種類によっては漬け物や塩昆布のような塩気のあるものが好まれることも。

塩気のあるお茶請けを出す場合、抹茶のような渋み・苦みの強いお茶より、棒茶(くき茶)やぐり茶(玉緑茶)がおすすめです。

抹茶を含む緑茶以外にも、紅茶やコーヒーなどをお客様へお出しすると思います。

その際はお客様の好みを踏まえたうえで、飲み物にぴったりなお茶請けの組み合わせを考えてみてはいかがでしょうか。

抹茶と相性抜群なおすすめ和菓子を紹介

抹茶の奥深いうま味とほのかな苦みは、和菓子の甘さと調和し、互いの魅力を引き立てます。

お気に入りのお菓子などを用意するのも良いですが、特に相性の良い和菓子を選ぶことで、より豊かな味わいを楽しむことができるでしょう。

今回はお菓子の香梅が手がける和菓子の中から、抹茶と相性抜群の2品をご紹介します。

素材の風味を大切にしたこだわりの和菓子と抹茶の組み合わせを、ぜひお楽しみください。

【通販対応】熊本銘菓「誉の陣太鼓」

誉の陣太鼓

「誉の陣太鼓」は小豆餡の中に求肥を包んだお菓子です。

さらりとした上品な甘さと大納言小豆の風味は、抹茶との相性が抜群。

抹茶のほのかな苦みが小豆本来の甘みや風味を引き立て、一口ごとに深い余韻が広がります。

上質な素材にこだわり、一つひとつ丁寧に仕上げた誉の陣太鼓は、特別な日のご褒美にも、大切な方への贈り物にもぴったりです。

抹茶とともに、お菓子の香梅自慢の銘菓を、ぜひご堪能ください。

「誉の陣太鼓」販売ページはこちら

【通販対応】熊本銘菓「武者がえし」

武者がえしは、まろやかな味わいの淡紫色の皮剥ぎ餡を、100層のパイ生地で包み焼き上げます。

フレッシュバターたっぷりのパイ生地と、なめらかで甘さ控えめに仕上げたあんことの相性は抜群!

ここに抹茶を合わせることで、香ばしさと甘みのバランスがさらに際立ちます。

抹茶のほろ苦さが後味を引き締め、より奥深い風味を感じられるでしょう。

ぜひ、こだわりの味わいをお楽しみください。

香梅で販売している武者がえし

抹茶をもっと身近に、日常のひとときに

透明なグラスに入った抹茶。鮮やかなグリーン

抹茶は、特別な作法がなくても楽しめる、シンプルですが奥深い飲み物です。

専用の道具がないと飲めないわけでもありません。
ほかのお茶と同様に、自宅でも手軽に楽しむことができます。

これはコーヒーや紅茶などでも同様のことが言えますね。

例えば、コーヒーはインスタントなどを用いて手軽に飲むことができますが、こだわりたい方はコーヒーミルやドリップポットを揃えることもあるでしょう。

難しく考えず、日本の文化である抹茶を気軽に楽しんでみてはいかがでしょうか。