コラム
Column
「武者がえし」の魅力と、お菓子の香梅が名前に込めた想い
バター香るパイ生地と滑らかな淡紫色の皮剥ぎ小豆餡が和洋のハーモニーを奏でる熊本銘菓「武者がえし」は、日々のひとときを彩る存在として、熊本県内外問わず多くの方にご愛顧いただいています。
今回は「武者がえし」のおいしさの秘密、そして名前に込められた熊本の歴史と文化をご紹介します。
いつも手にしているお菓子がもっと特別に感じられるような、ひと味違う読み物として、武者がえしを片手にどうぞお楽しみください。

武者がえしとはどんなお菓子なのか

武者がえしとはどのようなお菓子なのか、改めて紹介させてください。
一口食べた瞬間に広がるバターの味わい、香ばしいパイ生地の風味、しっとりと滑らかな淡紫色の皮剥ぎ小豆餡──それが「武者がえし」です。
和と洋を織り交ぜたこのお菓子は、老若男女を問わず、長年にわたり多くの方々に親しまれてきました。
そのおいしさの秘密は味だけでなく、素材、製法、そして丁寧な職人の手仕事にあります。
香梅自慢の皮剥ぎ小豆餡×100層のパイ生地

「武者がえし」に使用されているのは、皮を丁寧に取り除いた“皮剥ぎ小豆餡”です。
小豆の渋みのもとである皮を取り除くことで、こしあんよりも色が淡く、さっぱりとした風味に仕上がります。
雑味が取り除かれるため、まろやかで口どけが良いのが特徴です。
口に含んだ瞬間にすっと溶けるような滑らかさは、まさに熟練の技の賜物!
その餡を包むパイ生地は一晩熟成させた生地にフレッシュバターを折り込み、100層に重ね、1ミリ(焼成前)の薄さに仕上げたもの。
最新の機械を用いつつも、最終的な仕上げはやはり職人の手。
バターの風味やパイ生地の食感をより高品質なものに仕上げるためには、手作業による調整が欠かせないのです。
お菓子の香梅で製造している「武者がえし」をはじめとしたお菓子には、熊本・阿蘇の大自然に育まれた清らかな伏流水を使用しています。
この水は日本でも屈指の名水であり、厳選した素材の本物の風味を生かしたお菓子づくりに、とても適しています。
その目的から、工場は阿蘇山の麓である阿蘇郡西原村に建てられているのです。
表面だけこんがり焼き上げる特別な製造工程

武者がえしを焼き上げるオーブンには、加熱蒸気ユニットと呼ばれる機能を搭載しています。
この機能により、餡の水分を逃さず、表面だけをこんがり焼き上げることに成功しました。
また、機械内の空気を逃がすことでバターの酸化を防ぎ、香りと風味をより長く楽しめるようにもなっています。
武者がえしがおやつにも贈り物にも選ばれる理由

武者がえしがお客様から幅広く愛される理由として「味わい」「包装」「日持ち」の観点から、一消費者として考えてみました。
もし、贈り物などでお悩みの方は参考にされてみてはいかがでしょう?
武者がえしの味わい
武者がえしは甘すぎず、どんな飲み物ともよく合う上品な味わいが特徴です。
お茶やコーヒー、紅茶などおやつのお供を選ばないため、気分に合わせて自由に組み合わせるのも良いかもしれませんね。
実際の口コミでも「甘すぎない味わいがクセになる」「あんこ嫌いのパートナーと取り合いになった」など、味わいに関して嬉しいお言葉をいただいています。
武者がえしの包装

武者がえしの包装紙は、熊本城の石垣「武者返し」をデザインしたもの。
イチョウの葉が散るモノクロのパッケージに「武者がえし」のロゴの黄色がアクセントとなって目を引くデザインとなっています。
「熊本とゆかりのある」と一目で分かるパッケージは、贈り物として特別感があって喜ばれるのではないでしょうか。
武者がえしの日保ち
自宅用・贈り物に限らず、日保は気になるところではないでしょうか。
武者がえしは個包装で日保ちが20日(※)あるため、贈り物にもぴったりです。
※商品の発送日から賞味期限までのおよその日数。
「武者がえし」名前の由来とは

武者がえしの菓銘は、日本三名城の一つ熊本城の石垣から冠したものです。
熊本城の石垣は「武者返し」と呼ばれ、その名のとおり武士はもちろん、身軽な忍者でさえも登れないのだとか。
石垣を見てみると下はゆるやかに広がっており、案外簡単に登れるように思えるかもしれません。
しかし、実際は上に向えば向かうほど反りが激しくなり、中腹部あたりからはほとんど直角に。
ここまで反り返った石垣を登ることは、ほぼ不可能と言えるでしょう。
この美しい曲線を描く「武者返し」は、表面の大きな「築石」、裏側の小さな「栗石」、さらにその奥の「土」という3層構造で造られています。
熊本城の石垣は、実は造られた時代によって積み方が異なります。
古い時代の石垣は、さまざまな形の石をそのまま使うため、横の列が整っていません 。
一方、新しい時代の石垣は、石を四角く加工してから積むため、きれいに横に並んでいるのです。
パッケージについて

武者がえしのパッケージをじっくりご覧になったことはありますか?
あれは先述のとおり、熊本城の石垣をデザインしたものです。
モノクロの背景にそびえ立つ石垣「武者返し」とイチョウの葉が目を引きます。
目にするだけで熊本の風情が感じられるこのパッケージですが、なぜイチョウの葉なのかご存じでしょうか。
それは、熊本城には「銀杏城」という別名があるほど、イチョウと深い関係があるためです。
熊本城の天守閣近くにある、大きなイチョウ(銀杏)の木。
「大イチョウ」と呼ばれるこの木は、かつての城主・加藤清正公が築城時に植えたとされています。
熊本城を彩る大イチョウは、地元民だけでなく観光客からも愛され、今なおその枝を揺らしています。
武者がえしに込められた魅力と誇り

「武者がえし」は味わいの奥深さ、名前に込められた熊本の歴史と文化、それらすべてを内包したお菓子です。
こだわり抜いた素材と製法、最新技術と職人の手仕事が融合し「甘すぎず、上品な味わい」を実現しています。
日保ちもするため、贈り物としても選ばれ続けています。
熊本を代表するこの一品を、ぜひこれからも「特別なひととき」のお供としてお楽しみください。
