コラム
Column
よもぎの簡単な見分け方や保存方法、効果効能について解説
よもぎにはさまざまな効果があり、食用はもちろんお風呂に入れて楽しむこともできます。
そのため、道端でみかけてふと「摘んで帰ろう」と思うことがあるかもしれません。
しかし、本当にそれはよもぎなのでしょうか? 見た目が似ている毒草である可能性も……。
そこで今回はよもぎの見分け方を分かりやすく解説します。
保存方法や、古くから伝わるよもぎの効能についてもご紹介します。
よもぎについて
よもぎとはキク科の多年草で、古くから薬などで用いられてきました。
日本全国に自生しているため、意外と近所でみつかることも。
現代では料理やよもぎ蒸し、入浴剤など広い用途で親しまれています。
こういった効能の広さから「ハーブの女王」とも呼ばれているそうです。
地域によっては「モチグサ」「ヨゴミ」「ダンゴグサ」など、さまざまな名前で呼ばれています。
【よもぎに含まれる栄養と効果】
含まれる栄養 | 期待される効果 |
葉緑素(クロロフィル) | ・抗発がん効果 ・デトックス効果 ・貧血予防 ・コレステロールを下げる |
食物繊維 | ・便秘予防、改善 ・デトックス効果 |
カリウム | 高血圧の予防 |
ビタミンK | 止血作用 |
ビタミンB2 | 脂肪の燃焼促進 |
ビタミンB6 | 肝脂肪の予防 |
ビタミンC | ・ストレスへの抵抗力を強める ・皮膚や粘膜の健康維持 |
βカロテン | ・抗酸化作用 ・がん予防 |
ナイアシン | ・脳神経の働き活性化 ・皮膚を健康に保つ ・血液の循環改善 |
よもぎにはさまざまな栄養素が含まれていますが、特に葉緑素や食物繊維はほかの植物と比較してもより多く含まれており、より効率的な摂取が期待できるでしょう。
またデトックス効果や血液浄化、貧血予防、冷え性改善など、特に女性にうれしい効果が盛りだくさんです。
「ハーブの女王」の名は、伊達ではありませんね。
〈よもぎを避けた方が良い人〉
- 妊婦の方
- よもぎやキク科アレルギーの方
- 幼児やてんかん体質の方
- 胃腸が敏感な方
よもぎの摂取を避けた方が良い人は、上記のいずれかにあてはまる方々です。
よもぎにはさまざまな効果があるとお話しましたが、中には子宮を収縮させる原因となる「ツヨン」という成分も含まれています。
日常生活で食べる程度であれば問題ありませんが、過剰に摂取すると流産や早産の恐れも。
気になる方は、摂取そのものを控えた方が良いかもしれません。
生のよもぎを身近な場所で探してみませんか
生のよもぎは、葉っぱの特徴や生息場所の特徴を押さえておけば、簡単にみつけることが可能です。
この章では、よもぎの特徴や見分け方について詳しく解説します。
【よもぎの葉と生息場所の特徴】
日本において、約40種類以上あると言われているよもぎ。
今回は日本人の日常と特に関わりのある「カズザキヨモギ(以降「よもぎ」)」について触れていきます。
葉っぱの形 | ・切れ込みの深い羽のような形 ・下側に生えた葉の方が切れ込みがより深い |
葉っぱの色 | ・表側は深い緑色 ・少し白みがかっている |
葉っぱの大きさ | ・長さおよそ6〜12cm ・幅4〜8cm |
茎の特徴 | ・茎自体は緑色 ・ときどき紫がかっている ・中が空洞であることが多い |
背丈 | 30〜100cm程度 |
生息場所 | ・道端 ・畑の端 ・河川敷 など |
よもぎの色はかなり特徴的で、表は深い緑色、裏はうっすら白みがかった緑色をしています。
裏面は綿毛が密生して生えているため、白くみえるのです。
よもぎは日当たりが良く、水はけの良い土壌を好みます。
そのため、日当たりが良ければ近所の道端や河川敷でも目にすることができるでしょう。
【よもぎを摘むのは3月下旬頃からがおすすめ】
3月下旬頃〜5月の頭頃はよもぎの葉っぱが新しく生える時期。
つまり、新しく柔やわらかい葉を採取できるベストタイミングなのです!
よもぎは多年草であるため、昨年以前の古い葉も残っています。
なるべく上の方、てっぺんから15cmくらいまでを摘むと良いでしょう。
よもぎと似ている植物とその見分け方
今回ご紹介した「カズザキヨモギ」と似ている植物がいくつかあります。
食べられるものもありますが、中には毒性を持つものもあるため、採取の際には十分注意しなければなりません。
この章ではよもぎ(カズザキヨモギ)と似ている植物についてと、見分け方について解説します。
【ニガヨモギ】
ニガヨモギは食べられないわけではありませんが、一度に摂取する量を誤ってしまうと嘔吐や神経麻痺などの症状が表れます。
ただ、そもそも日本では自生していない植物であるため、ニガヨモギに対して過剰に警戒する必要はないでしょう。
〈見分け方〉
特有の香りがありますが、よもぎほど強くありません。
また、よもぎとの大きな違いとして、湿り気のある場所を好む特性があります。
見た目での判断がつかない場合は、日当たりの良い場所かどうかを確認してみましょう。
【トリカブト(毒性植物)】
トリカブトは、葉っぱの見た目がよもぎにかなり似ている毒性植物。
食用として当然避けなければならないですが、触るだけでも人体に有害な場合があるため注意が必要です。
もしみかけた場合は安易に近寄らず、触らないようにしましょう。
〈見分け方〉
トリカブトの葉は表面に光沢があり、ツヤツヤしています。
さらに、よもぎの特徴である裏面の綿毛がトリカブトにはありません。
しかし、トリカブトは素手で触っただけで中毒症状が現れることがあるため、葉っぱの裏を確認するのは難しいでしょう。
ほかに見分けるポイントとして、生息箇所があげられます。
トリカブトは山中の少し湿った場所を好みます。
よもぎとトリカブトが同じような場所で自生することは基本的にないため、生息場所の特徴を覚えておくと安心でしょう。
よもぎの保存方法
よもぎの保存方法は、冷蔵か冷凍の2択になります。
冷凍の場合、ペースト状にする必要があるため、よもぎの調理方法によっては冷凍前の使用がおすすめです。
天ぷらなどの料理で使う場合は、あく抜きの必要がないため採取したその日や次の日に調理してしまいましょう。
パンやお菓子作りに使用する場合はあく抜きをした方が良いです。
あく抜きをしないとえぐみや渋みが残ってしまいます。
【冷蔵(保存期間:2日ほど)】
冷蔵庫で保管する場合、まず水で泥などの汚れを落とし、軽く水気を拭いたあとで袋に入れてから野菜室にしまいましょう。
この方法による、保存期間はおよそ2日ほどです。
【冷凍(保存期間:1カ月)】
よもぎを水で洗ったら、少量の塩を入れたお湯で2分ほど茹でます。
茹で終わったら20〜30分ほど水にさらしてあく抜きを行いましょう。
茹で時間が長いとよもぎのせっかくの香りが飛んでしまいます。
葉っぱの裏側が緑色になったタイミングでお湯から引き上げましょう。
水にさらしたあとは水気を切り、フードプロセッサーへ入れたらよもぎペーストの完成です。
チャック付きポリ袋などに空気を抜いて入れ、密閉してから冷凍室で保管します。
冷凍だと1カ月ほど長持ちします。
よもぎを安全に楽しむために
よもぎは古くから親しまれてきましたが、毒草との見分け方など、注意すべき点も。
今回は見分け方などについて解説しましたが、野草採取を楽しむ際はこうしたネットの情報だけでなく、植物図鑑などをしっかり活用することがより確かな方法です。
自然と触れ合う際は事前にしっかりと知識を深め、準備を整えたうえで安全に楽しみましょう。